能力や性格の遺伝の話

この記事を読んで思ったことを。

遺伝ですべてが決まるのか②(好き、が大事)


◯◯は遺伝が◯割といった話で出てくる遺伝率について勘違いしている人が多いのですが、こういった研究で調べているのは、能力や性格への「生まれ持った遺伝子配列の影響度合い」であって、「親から子へどれくらい能力や性格が遺伝するか」ではないです。

遺伝率の数字は、例えば、一卵性双生児(遺伝子が同じ)で片方が養子に出されたケース(環境を共有しない)を比較し、生まれ持った遺伝子が、能力や性格にどれくらい影響を与えているのかを調べています。この研究デザインからもわかるように、親から子へどれくらい能力や性格が遺伝しているのかを調べているのではなくて、生まれ持った遺伝子の影響と環境の影響を調べています。

英語だと、

遺伝(生まれ):nature

環境(育ち):nurture

でわかりやすいのですが、日本語で遺伝と書くと、メンデルの法則的なものだと思う人が多いですね。


生まれ持った遺伝子配列は、受精時の染色体ガチャで決まります。

人間の能力には様々な種類があります。認知能力、非認知能力、コミュニケーション能力、運動能力などの種類がありますし、それぞれの種類の中で細かく分けられます。そしてその能力は、単一の遺伝子で決まるのではなくて、多数の遺伝子の組み合わせが影響します。

それぞれの能力が親から子へどのように遺伝するかについて、ざっくりとしたイメージで書くと、

「親の遺伝子的能力値を基準点として、子の能力値はそこから正規分布する」

です(エビデンスがあるのかは不明)。わかりやすさのためにものすごく単純化して書きますが、遺伝子的能力値100の両親から、遺伝子的能力値80の子が生まれることもあるし、100の子が生まれることもあるし、120の子が生まれることもありますが、生まれる確率が高いのは両親の遺伝子的能力値付近の子です。まあ実際には、種としての能力値の上限があり、平均からかけ離れた両親の子だと平均への回帰が働きますから、正規分布にはならないでしょう(オリンピック短距離走メダリスト同士をかけ合わせ続けても、ホモ・サピエンスが100mを8秒で走れるようにはならない)。

だから、「地頭がよくて高学歴の親」から、地頭が良くて受験向きの子が必ず生まれるわけではありません。これは育て方とは関係のない、生まれ持った遺伝子配列の話です。逆に、「トンビが鷹を産む」ことも起こるわけです。何百人と子どもを作れば、全体として見れば親の遺伝子的能力付近の子が多く生まれるでしょうけど、普通の家庭では子どもは数人しか作らないので、どのような能力値の子が生まれてくるかわかりません。


幼児期の教育についても、思うところがありますが、また別の記事に書きたいと思います。



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