読解力の低下

子どもの“読解力”低下が顕著? 「“線を引くからその箇所を言ってくれ”と、明確な根拠を求めがち」 低下が続いた社会は「悲惨な結果になる」
https://times.abema.tv/articles/-/10162125?page=1
「ただよび」校長で現代文講師の宗慶二氏によると、現代文の成績は2極化が顕著で、特に中間層の低下が著しいという。読解力低下の理由としてあげるのは、コロナ禍で対面型の交流が減少したことが1つ。どう見られているかを気にしないようになり、社会性が低下したという。もう1つが、テクニック論重視の教育で、受験勉強などで効率よく成績を上げるタイパ重視の価値観が強まったことをあげる。


記事は、現在の高校生の様子だけど、私の関わっている小学生の子を見る限り、中間層の読解力の低下が目に付くというのは実感に合っている。算数の文章題すらちゃんと読めない子が多い。

読解力低下の原因は、単に本や新聞を読んでいないことだと思う。読むことに慣れていないので長めの文章が読めないし、文章を頭に入れて考えることができない。動画ばかり見ているから、文章から状況をイメージできない。漫画すら読まない子も結構いる。

娘(小2)の学校の3学期公開授業で、図書の時間にビブリオバトルをやっていて、観察してみると半数くらいの子が絵本だった。スーホの白い馬(小2国語教科書)や、ごんぎつね(小4国語教科書)あたりの絵本は内容が高度だからまあわかるけど、選んでいるのはそういった本ではない。

全国調査だと、子どもの読む本の冊数は増えているようだが、読みやすい絵本や、ゾロリなどの絵本の延長の本や、ヨシタケシンスケさんの本や、学習系漫画を読む子が多くて、文章量の多い本は読まれていないと思う。読解力低下への対策で、朝の読書時間や図書の授業の導入で読書冊数は増えているのだろうけど、絵が中心の本を眺めているだけの子が多くて読解力の点ではあまり意味ないだろうなと思う。老害発言になるが、文章量の多い本でも、昭和の児童書に比べると、令和の児童書の文章レベルは低い(一文が短く、話し言葉に近くて親しみやすい文章。状況を逐一解説してくれるので考えなくてもスルスル読める。オムニバス形式で一話が短い)。

ワークなどで対策していて現時点での学力はある子も、簡単な熟語の読みを知らず、語彙が足りないなあ、本や新聞を読んでいないんだろうなあと感じることがある。そういう子は伸び悩むと思う。

算数の文章題がわからないのは、イメージ力の問題かな? 文章を読んで、その状況の絵を描く練習をすると良いかもしれない。すでにそういうドリルがありそうだけど。そういえば、今の子はお絵描きもあまりしないな。習い事が多くて暇が無いのかもしれない。考えてみると、イメージを膨らませて絵に描く行為は、読解力や表現力を鍛えるのに結構重要かもしれない。

追記:文章題専門算数「よみとき」という教室では、文章題から絵を描くレッスンをしているようだ。やはり同じことを考える人がいるんだな。

「読解力」で求められる能力は、「文章の構造を理解し、論理的に文章を解釈すること」であって、登場人物の微妙な心情の理解などはあまり関係ない。「読解力テスト」で検索して出てくる問題を見ても、問われているのは、係り受けなどの文法や、論理問題や、要点の理解。必要なのは共感能力ではなく論理的思考力。記事中で言及されている能力は、どちらかというとコミュニケーション能力だと思う。打ち解けるための雑談的なコミュ力ではなくて、情報を正確に伝達する能力。もちろんこれも重要な能力。


YouTubeの隆盛はこの10年ほどのこと。さらに最近は動画のショート化が進んでいる。記事は、現在の高校生についてのものだけど、今の小学生はYouTubeネイティブ、さらにショート動画ネイティブなので、今後はさらに読解力が低下していくと思う。このままいくと、ショート動画に慣れて1分間集中することすら出来ない人間が量産されそう。

IQが高くて知的好奇心が強い子は、放っておけば自分で色々と読んで語彙も読解力も勝手に身につける。でも、普通の子はそうではない。英語、プログラミング、STEAM教育や探究学習が昨今のトレンドだけど、正直、中間層はそんなことをやっている場合ではないと思う。

コメント

このブログの人気の投稿

シン読解力トレーニング案

アルプス子ども会のキャンプに子どもを放り込む

電子レンジでルビーを作る