浜学園とヨンデミーが中学受験に必要な読む力の基準を発表

【業界初】ヨンデミー×浜学園が共同制作!中学受験に必要な「読む力」を徹底分析したホワイトペーパーを公開
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000071742.html

ヨンデミーは、児童書の難易度を文章の長さや漢字の難しさなどから数値化している。これがヨンデミーレベルで、「小4でヨンデミーレベル45相当の児童書を読めるようになっていることが中学受験では必要とされる」というのが、今回発表されたホワイトペーパーの主旨になる。

レベル45相当の児童書の具体例は、ナルニア国物語、ドリトル先生、モモ、バッテリー。中学受験塾のテキストは、国語も算数も理科も社会も文章レベルが高いため、これらの児童書レベルの文章を小4のうちに読めないと、全教科のテキストを読みこなせず、塾のカリキュラムについていけなくなる。なぜ小4のうちかというと、小5以降は塾漬けで読書をしている時間が無いから。






具体的なレベル感を提示することによるメリットは、

・このくらいの文章を読めないと中学受験塾のテキストが理解できない・・・という現実を保護者に示す。

・塾のテキストを理解できない生徒と受験塾の不幸なミスマッチングを防ぐ。

・塾で出来ることには限界があり、受験塾のカリキュラムを活用するための基礎力を身につけるのは、家庭の責任の範疇だと示す。


あとまあ副産物として、中学受験がきっかけで読書をする子が増えるかもしれない。

ヨンデミー側としても、ビジネス拡大の観点では中学受験業界と組むのがもっとも期待値が高い。保護者が教育にお金を払うのは、何らかの目に見える効用・成果が期待される時であって、その点で可視化が容易で訴求力が高いものが「学業成績の向上」と「偏差値の高い学校に入ること」だから。



懸念点は、

・「この程度の本を読めないと塾の勉強についていけないよ!いい学校に入れないよ!ゴロゴロしてないで本を読みなさい!」と読書を強いる親が出てくる。

・本来楽しいはずの読書が、中学受験ごときの手段に堕する。


受験をきっかけに、主体的に読書をするのなら良いことだと思うけど、児童書のレベルを数値化して、「中学受験をするなら小4のうちにヨンデミーレベル45相当の本を読めることが必要」と表現するのはなあ・・・。中学受験界隈で言われる、「新小4の入塾までに公文式算数F教材(小6相当)終了」と同じノリになってしまう。

計算は算数・数学のための手段であり、トレーニングが必要なものだから、数値目標を持つのはそこまで問題にならないと思うけど、読書(物語文)はそれ自体が目的でしょう。まあこれは私の価値観で、物語を読むのも、実用書を読むのと同様に何らかの効用を得るための手段であるという価値観もあるのかもしれないが。


それと、いくら数値目標を掲げようと、読む本のレベルは、その子の持つ、その時点での「知的能力の器」で決まる。だから、「大人が好ましいと思う、文章と内容がしっかりした推薦図書」を読ませようとしても、読める器がなければ読まないよ。

どのくらいの本を読むのかは、知的能力の器の判定には使えるけど、無理に読ませることで大人の望むままに知的能力の器を作れるわけではない。

大人が出来ることは、本を探して提示するところまで。どの本を選んで楽しく読むかは、その子次第。

そして、推薦図書のような文章と内容がしっかりした本を読んでほしいと親は思うだろうけど(私も思ってしまう)、柔らかめの読みやすい本を子どもが好むなら、どんどん読めば良いと思う。大人も、硬い本ばかり読みたくないでしょう。食事に例えると、栄養バランスが完璧に整った健康食を毎食強いられるようなものです。息苦しいですね。


他に気になる点としては、利用したことがないので間違っていたら申し訳ないが、ヨンデミーの推薦図書は物語文が大半で、あとは物語文調のノンフィクションのようだから、物語文が好きではない子の能力判断には使えない。物語文が好きでない子は、朝日小学生新聞の記事を小3、小4で読みこなせていれば、中学受験塾のテキストを読めると思う。むしろ理社のテキストの文体だと、物語文よりも新聞を読めるかどうかのほうが重要だろう。

くもんの推薦図書だと、感覚的には、2,3学年先の本が読めるなら、言語能力面では中学受験で難関校チャレンジが出来そうに思える。当然、中学受験には、処理速度や論理的思考力も必要だけど。


現実的なレベル感だと、最難関を目指すなら、小4でレベル45よりも高い読書レベルが必要だろう。表のレンジは全体の8割が含まれるとのことなので、表の上限位置は上位10%のポジションになる。小4ヨンデミーレベルの8割が含まれるレンジが27-46なので、正規分布に従うとすると上位2%(+2σ)でだいたいレベル52ですね。



上の分布図を見ると、小4→小6でレベルが7上昇していることから、小4でレベル50を超えていて、そこから順調に成長すれば小6時点で最難関校の国語の問題文を読みこなせるレベル(55-60)に達する。



中堅校狙いなら小4の時にレベル45でOKだけど、難関校・最難関校狙いなら小4でレベル50は欲しい・・・といった感じですかね。これは、「中学受験をするなら、その年齢までにそのレベルの本を読めるようにしないといけない」という努力目標ではなくて、「その年齢でそのレベルの本を読めていれば中学受験にチャレンジできそう」という判断基準として扱ったほうが良いでしょう。判断基準としては、このホワイトペーパーの提示するデータは有用なものだと思う。しかし、努力目標にして、読書を義務化してはいけない。



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