シン読解力の衝撃

読解力とは具体的にはどういう能力なのか、どうやれば高めることが出来るのか。

経験則からなんとなくイメージはしていて、娘の読解力を高める手は打ってきたが、この度、新井紀子氏の「シン読解力」を読んで、読解力についての理解が非常にクリアになった。


シン読解力の定義

「教科書や新聞、ビジネス文書などの、知識や情報を伝達する目的で書かれた、解釈が一意に定まる自己完結的な文書を、自力で読み解ける力」


別の言い方をすると、

「人間が言語ベースでコミュニケーションをするときに、正確に情報を伝達するための通信プロトコルみたいな文章規則があって、それを理解できるか」



シン読解力は、RST(リーディング・スキル・テスト)で測定することができる。

分野は

・係り受け解析
文の基本構造を把握する力

・照応解決
代名詞などが指す内容を認識する力

・同義文判定
2つの文の意味が同一かどうかを判定する力

・推論
論理的に推論する力

・イメージ同定
文と非言語情報(図表など)を正しく対応させる力

・具体例同定(辞書)
辞書の定義を用いて新しい語彙とその用法を獲得する力

・具体例同定(理数)
理数的な定義を理解し、その用法を獲得する力

参考:リーディングスキルテストとは




RSTのスコアと学力は高い相関がある。

参考:「シン読解力」とは


新井紀子氏は著書で、

RST → 学力 (因果関係)

と、割と断定的に書いているが、私が考えるに、


IQ(主に言語性知能と論理的推論能力)+アカデミックな努力 → 学力 (因果関係)

IQ(主に言語性知能と論理的推論能力)+アカデミックな努力 → RST (因果関係)

この関係もあると思う。というかこっちの影響のほうが大きい気がする。以下、私の考える因果関係。



IQといっても、パズル的な問題を解く能力(ウェクスラー式知能検査の知覚推理)はあまり関係しないと思われ、その方面のIQだけ高くても、RSTのスコアは高くならないだろう。

言語性知能は生まれつきの影響が小さいため、ある程度は後天的に鍛えられるはず。論理的推論能力は、生まれつきの影響が大きい。

関連記事:遺伝率を考えると言語性知能を鍛えるのは狙い目だと思う


自分でRSTの例題を解いてみた印象だと、係り受け解析と、照応解決は、言語性知能が高ければ問題なく出来ると思う。これらの分野は、トレーニングの成果が出やすい。

イメージ同定はどの能力が必要なのかいまいちわからない。

その他の分野は、論理的推論能力が要求される。数学が苦手だと、なかなか厳しいと思う。高校で習う、逆・裏・対偶や集合をイメージしながら文章を読むと、これらの分野の問題は理解しやすくなる。


シン読解力が高くなるかは、性格的な向き不向きもある。文章をじっくり読んで理解しようとしたり、わかりやすい文章を推敲しながら書いたりするのは、非常に面倒臭い作業で、認知負荷が高い(きちんとした文章を書く練習は、シン読解力を大きく高める)。本人の興味が、文章を読むことや論理的に考えるといった学業関連に向くかも影響する。そのため、本人任せにすると、「面倒臭い」「興味がない」で投げ出す人が多くなる。投げ出したら、能力は鍛えられない。結果として、シン読解力が低い人が世の中に溢れることになるのだと思う。


関連記事:シン読解力トレーニング案


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