令和7年度の全国学力テスト
令和7年度全国学力・学習状況調査の結果(概要)
令和3年→令和6年での成績低下がニュースで大きく報じられていたので、関連の発表資料を読んでみたけど、令和7年の資料にSESごとの成績分布や、読書と成績の関連といったデータが載っていて面白かったので取り上げる。
算数と数学は成績の格差が大きい。実際の設問を見ると、算数・数学の問題は、単なる知識や計算問題は少なくて、長い問題文を読んだ上でのデータの読み取りや、論理的な理解が求められている。まさにシン読解力が求められる問題内容となっている。
社会経済的背景(SES、家庭の本の冊数が代替指標)と各教科の得点分布では、国語ではシンプルに得点分布が下方にシフトしているだけだが、算数・数学では得点分布のピーク位置に大幅な違いがあり、山の形も異なっている。
国語は、生活言語の延長でなんとなくそれなりの得点が取れる。しかし、学習言語のレベルが低いと、シン読解力が要求される問題形式での算数・数学は壊滅的な成績になる。
他に面白いデータとしては、
読書を好きかどうかは、すべての試験科目で成績にはっきりと比例している。
しかし、実際の読書時間の長さは、成績に比例しない(読書時間ゼロだとさすがに成績が下がるが)。小6、中3という受験学年なので、成績優秀者は勉強時間が長くて、読書が好きでも読書の時間がなかなか取れないのかもしれない。
成人対象のPIAAC(OECD国際成人学力調査)における読解力のデータが引用されているが、2011年→2022年で読解力レベル1以下の「まともに読めない層」が5%から9%にほぼ倍増している。上位層の割合は変わらない。中間層の読解力が崩壊してきていると思われる。今後はスマホネイティブの子どもたちが成人になっていくので、「まともに読めない層」はさらに増加するだろう。
読書状況や読解力についてページ数を割いて分析しているので、文部科学省にも読解力低下への危機感があると考えられる。去年までテストの結果資料には、読解力関連の分析は無い。ただまあ、単に学校で読書を奨励するだけではどうにもならないだろう。実際に、長時間の読書をしている層の成績が良いわけではない。
子どもたちに人気の本のリストを見ると、小学校高学年でも、銭天堂、ヨシタケシンスケさんの本、5秒後に意外な結末、ざんねんないきもの事典などが上位に来ていて、これらの本だと国語での長文読解力も、学習言語能力が要求される他の教科でのシン読解力も、高まらないと思う。
参考サイト:子どもの本総選挙
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