放課後時間の過ごし方
子どもたちの放課後が激変している…専門家が危惧する、“余白の時間”のなさが子どもに与える悪影響
https://withonline.jp/with-class/education/topics-parenting/QimMH
当時と今を比べて、子どもたちの放課後から何が失われたのか。教育の世界では語呂合わせ的に「三間(サンマ)」がなくなったと言われています。
「時間と空間と仲間」です。
「時間」=子どもたちは塾や習い事などで忙しく、自分でどう過ごすかを決められる時間が少なくなっています。
「空間」=公園には「ボール遊び禁止」「大声禁止」の看板があり、危ないから道路では遊ばない、不審者が心配だから一人では出歩かない……と、子どもたちが遊べる場所は限られています。
「仲間」=子どもたち一人ひとりがそれぞれに忙しく、集まれる場所も少ないため、放課後にパッと集まって一緒に遊べる友達がなかなか見つかりません。
この記事で書かれていることには強く同意する。私の目指す子育ては、昭和後期の環境を今の状況に合わせた「ネオ昭和」スタイルなので、価値観は記事の著者と同じだと思う。ただ、そのアンサーが民間学童というのはズレていると思う。
民間学童の利用者層は、コスパ・タイパを重視するアッパーミドルの家庭で、その保護者に選ばれるためには、非認知能力を高めると謳われるアクティビティや、英語・STEM教育などのオプションを設定して、スケジュールに従ってそれを子どもに体験させる形になる。「ただ遊んでるだけ」だと彼らには選ばれないから、「わかりやすく意味がありそうなこと」で保護者にアピールする必要がある。民間学童は週1回利用あたり月謝1万円~1.5万円(週5回なら約5倍)するので、価格に見合う効果をアピールしないといけない。
ただ、上記のような普通の家庭が利用できる価格で民間学童のサービスを提供しようとすると、狭いビルの一室で子どもを静かにおとなしくさせておくことしかできない。消費者目線で見ると利用料が高いな~と思うが、経営者目線で見れば、賃料と人件費、想定人数と預かり費でざっくり計算すると、狭いスペースしか確保できないことがわかる。長時間利用を前提とした労働集約型の対人サービス業を民間で成立させるのは難しい。また、夜遅くまでの預かりニーズがあるため、夜8時や9時まで利用可能なところも多いが、子どもが放課後に長時間過ごす環境としては、あまり望ましくないものだと思う。短時間なら良いと思うが、そうすると「似たような金額を払うなら習い事を選ぶ」となりやすい。
個人的に放課後時間に欲しい要素を挙げてみると以下のようになるが、これらすべてを実現する「僕の考えた最強の放課後施設」を実装するには、月謝30万円以上が必要になると思う。こんなのビジネスとして成り立たないよ。
・大声を出して走り回れる外遊びのスペース。
→学校内の公立学童だと、校庭で遊べることがある。ただ、校庭に出られる時間は厳しく管理される(スタッフの見守り範囲と、子どもの安全面を考えると当然)。
・夏場や雨の日にも身体を使って遊べる遊戯スペース。
→学校内の公立学童だと、体育館で遊べることがある。
・工作や手芸の素材をふんだんに使える環境。
→一般的に学童は、公立も民間も素材の使用に厳しい制限がある。まあ無制限だと、とんでもない量を消費する子が出てくるから仕方がないと思うが。
・レゴやボードゲームを豊富に用意。
→人数の多い公立学童だと割と豊富にある。補助金のおかげで予算は潤沢っぽい。この点は、民間のほうが予算面で厳しいかもしれない。
・令和の子どもが興味を持ちそうな本を豊富に揃える。
→人数の多い公立学童だと割と豊富にある。娘の通っていた公立学童だと、「葬送のフリーレン」も置いてあるらしい(ゼーリエ死亡ルートを回避してほしい……)。この点は、民間のほうが予算面で厳しいかもしれない。
・静かな環境が好きな子も安心して過ごせるように、ゆったりしたスペースがある。
→この点では、公立学童は地獄のような環境。
・基礎学力をつけるための学習時間。
→一般的に公立学童では、長期休みの時は学習時間があるが、通常時はない。民間学童は、学校の宿題をやるための学習時間が設定されているところが多い。独自教材をやらせたり、授業が行われたりするところもある。
というわけで、私が望ましいと思う放課後の過ごし方を娘にしてもらうために、以下のように複数の場所を組み合わせて過ごしてもらっている。
・外遊びについては、放課後の校庭開放と、児童館の近くの公園で学校の友だちと遊ぶ。
・室内遊びは、児童館で遊ぶ。
・工作や手芸の素材は、家に用意してある。
・本やボードゲームも、家に用意してある。
・静かに過ごしたい時は、家で一人で本を読んだりする。
・基礎学力は、公文と家庭学習で身につける。
小2以降は、学童は長期休みのみ利用した。おそらく小3の夏休みの利用が最後になり、冬休み前に退所する予定。
習い事は、空手週1回、バドミントン月2〜3回、公文週2回。バド以外は一人で行っている。私も妻も外で仕事がある日は、夕食前の時間まで娘一人で留守番をすることもある。
親の片方、もしくは両方が、融通のきく働き方(在宅メインだったり、遅くとも夕食までには帰れる仕事)にしないと、子どもがある程度自由に放課後を過ごすのは難しいと思う。うちは、「たくさん稼いで旅行やモノの消費にたくさん使う」よりも、子どもとの日々の生活を大切にしたいと考えているので、このような選択をしている。
あと、住む場所ですね。都心だと教育熱心な家庭が多いので、大部分の子がほぼ毎日習い事や塾に通っていて、遊び相手が見つからないかもしれない。都心に住んだことはないので実際のところはわからないけれど。逆に過疎地域だと家同士の距離が離れすぎていて、放課後に遊べないらしい。私が住んでいるような郊外でも、放課後に校庭を開放していない自治体もあるので、その場合は子どもが自然に集まる場所が見つけにくくなる。
今のところ我が家は、子どもの自由と親の働き方の面で、まあまあ良いバランスで放課後を過ごせていると思う。
最後になるが、育てておいて良かったと思う「子どもの遊び力」を挙げてみたい。遊ぶのにも、幼児期からの積み重ねが必要だと感じる。
・子ども同士でのコミュニケーション能力
→気心の知れた相手以外とも遊べると、外で遊んでくる機会が増える。最近娘は、生き物好きの男子と仲良くなり、休み時間や放課後に校庭でカナヘビを捕まえたりして遊んでいるらしい。幼少時から習い事漬けで育てると、この能力が伸びにくいと思う。気心の知れた相手や大人とはコミュニケーションが取れるけど(相手が気遣ってくれるから)、子ども同士で新たな関係が築けないなあという子は割といる。
・ベーシックな遊びの経験
→トランプやUNO、コマやけん玉、ボール遊び、砂場遊び、虫取りなど。ベーシックな遊びができると、遊びの輪に入りやすい。
・家に一人でいても読書や工作をして過ごせる
→「家にいると動画やゲームばかりしてしまうので高学年になっても学童に入れる」というケースがある。学童では大人の監視下に置かれるため、主体性や自律心が育たない。幼いからといって経験を積む環境を与えないと、子どもはいつまでも幼いまま。幼少時から、小さい失敗を重ねながら、動画やゲームに頼らない過ごし方を練習していったほうがいい。
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