書籍「デジタルで変わる子どもたち ――学習・言語能力の現在と未来 バトラー後藤裕子」
本の内容と自分の考えを混ぜて書くけど、
小さい子どもの言語学習には、相互作用や身体性が重要。その点で、動画の垂れ流しによる学習効果には疑問符が。動画を活用したいなら、親も一緒に見て子どもとコミュニケーションを取りながらが良い。
2歳以下だと、そもそも動画が現実世界とは違ったものであり、そのお約束(動画内では時間の流れや視野は一定でないなど)を理解していないため、動画から情報を得るのが難しい。
年齢別の動画視聴時間に関するベネッセの調査データが載っていたが、想像以上に幼児の動画視聴時間が長かった。平均で、0歳から毎日3時間くらいの動画視聴(テレビ、テレビ録画、DVD)。最初は、子どもを大人しくさせておくため?と思ったが、どうやら教育効果を期待して長時間動画を見せる場合もあるようだ。英語などですかね。教育のために幼児に動画を見せるという発想が無かったので、そんな考えもあるんだ・・・と思った。
動画による教育効果を調べた研究では効果が語彙習得によって計測されることが多いが、語彙だけ増えてもなあ・・・と。ぺちゃくちゃと流暢にお喋りが出来るかどうかよりも、思考力など外側からわかりにくいものが育っているかが重要なのに。
本が書かれたのが2020年のコロナ禍の最中なので、ICT教育に対する強い期待がにじみ出ている。2025年だとICT教育の問題点も議論されるようになってきているので、そこは割り引いて読む必要がある。
個人的には、小中学生は紙と鉛筆で基礎学力をみっちりつけて、論理性を育てておけば、高校生以降にデジタル機器に触ることになってもすぐ適応できると思うのだけど、中高年のデジタル音痴っぷりを見ると、子どもの頃からある程度は慣らしておいがほうが良いのかもしれない・・・。
バトラー後藤裕子氏の著作は、英語学習についてのものがとても良かったので期待して読んだが、今回の本はやや散漫な印象だった。まあ、研究の数が多くないし、研究対象のデジタル技術の進歩が速いため研究が追いつかないという問題があるから仕方がない面もある。こういう場合は、研究結果を表層的に現実に当てはめようとするのではなくて、抽象度を上げて原理・原則を理解してから、現実の個別ケースではどうなるか考えていくのが良いと思う。
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