先取り学習の是非
個人的な考え
◆学校の勉強だけやる場合
入学前に、机に座って鉛筆を持ち、ある程度の学習をしたほうが良いと思う。やることは、線引き、ひらがな、数字など。計算は、おはじきなどを用いて慣らしてから、ペーパーの足し引き算をやるのが良いかな。
「机に座って、鉛筆を持つ」ことすらできない状態で小学校に入ると、小1でわりと苦労する(学校側も苦労する)。
ひらがなは、家でノーチェックだと、とんでもない書き方で覚えてしまうので、親が最初から正しい書き方を教えたほうが良い。一度変なやり方を覚えると、直すのに苦労する。
中学受験をせず学校の勉強だけやっていくなら、小学校入学以降は復習中心で良いと思う。
高校受験で高いレベルを目指すなら、小4あたりから算数・数学と英語を徐々に先取りしていって、演習量を積んでいくのが良いと思う。個人的には、高校受験コースを選ぶとしたら、公文算数・数学を年長~小4の間に開始、公文英語を小4~小6の間に開始する。英語学習の開始を小4まで待つのは、まずは母語の能力を高めたいから。
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◆中学受験準備
<算数(計算)>
毎日コツコツ続けていって、その単元の計算が身につきながら、自然に先取りの進度に行くならそれでOKだと思う。先取りありきで、定着せずに駆け足で先に進むのはデメリットのほうが大きいかなと思う。算数は積み上げ教科なので、四則計算の基礎が盤石になっていないと、筆算や分数に手こずる。
計算は、ルールに従って処理するだけの作業なので、自然に前に進むならどんどん先取りしても良いと思うが、小学校低学年で微積をやるとかは、さすがにやりすぎだと思う。高校生になる頃には忘れてそうだし。
意味を理解してから計算練習をしたほうが良いという考えもあるけど、小学校の範囲なら、とりあえず計算処理ができるようになって、後から意味を理解するでも、別にいいんじゃないかと思う。意味の理解も、なんとなくぼやっと理解、まあまあ理解、はっきり理解と何段階もあり、「意味がわかってる or わかっていない」のゼロイチではないので、とりあえず計算方法を身につけて、ぼやっと理解してから、あとからはっきり理解でもいいかなと。
先取りすると、「知っていることだからつまらない」となって子どもが学校の授業でやる気がなくなるリスクが指摘される。これについては一理あると思う。ただ、子どものやる気が無くなるケースは、家庭でのペーパーワーク漬けや、実体験の不足など他の要因があるんじゃないかとも思う。先取りしていても、学校の授業がつまらんとボヤキながらもきちっとやっていく子もいる(まあそういう子は、先取りしていなくても、学校の授業は簡単すぎてつまらんとぼやくと思うが)。
<算数(抽象概念)>
速度、平均、割合・比など、概念の先取りは、日常生活でのリアルな体験を通じて、なんとなーく先取りしていけば良いと思う。例えば、みんなで同じ数に分ける(平均)、近くのスーパーまで歩く時に何分かかるか計ってみる(速度)、濃縮タイプのめんつゆやカルピスを希釈する(比)。
ペーパーワークでの演習は、脳の発達を待ってからのほうが良い。一般的には、9-10歳頃に抽象的思考力が発達してくる。
リアルな体験以外の学習では、娘の場合は、
第一段階:各分野のドラえもんの学習まんがを本棚に並べておいた。低学年のうちは漫画のストーリー部分しか読まないけど、キーワードは目にしているので、何かしらのひっかかりが残る(はず)。
第二段階:小3になってから、口頭で各分野の簡単な問題を出すようにした。なるべく興味を持つように、身近な設定の内容にする。自分の頭で考えてもらって、自分のやり方を見つけてもらう。効率的な解法は教えない。
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といった感じで進めていて、算数の概念はわりとインストールが進んでいる。娘は机に向かってのペーパー学習が嫌いなので、こういったやり方にしている。
<国語(漢字)>
漢字の「書き」の先取りは、漢字のパーツ構成と書き順のパターンを子どもが理解してから、先取りしたほうが良いと思う。小1からガンガン先取りすると、漢字のパターンを理解していないので、例えば6画の漢字を8画で絵のように書いたりする。もちろん、書き順はめちゃくちゃだし、トメ・ハネ・ハライもめちゃくちゃ。ひらがなと同じで、おかしな書き方で覚えると、直すのに苦労する。字の書き方は最初は親がしっかり見て、正しい書き方を最初に覚えるのが、結局は最小の手間で済む。
一般的には、小2、小3から、書きの先取りはしてOKだと思う。中学年・高学年の漢字は一学年あたり200字程度なので、一日4字ペースで市販の漢字ドリルをやっていくと、小2~小6の範囲は250日で一周できる。2周目は小3~小6にすれば200日で終わる。もちろん1周2周しただけで漢字マスターになるはずがないので、毎日コツコツ続けていって徐々に染み込ませていく。
漢字の読みは、本を読んでいて自然に覚えるならそれでOK。娘の場合は、低学年の時に、読みたい本の漢字が読めなくて困っていたので、各学年の漢字一覧をプリントアウトして、それを使って読みだけざっと先取りした。図書館で借りる本だと、総ルビの本があまり無い。
計算と漢字の演習は、抽象的思考力の発達を待たなくてもできるので、進められるなら低学年のうちに進めておくと、高学年の時の負担を減らせると思う。個人的には、低学年のときは、発達差の影響が大きい算数思考力系問題よりも、計算・漢字を淡々と積んでいったほうが良いと思う。
計算と漢字の演習のメリットは、やることが明確で子ども一人で取り組みやすく、学習にかかる時間の見積もりがしやすいこと。デメリットは、単調でつまらないこと。まあ、単調でつまらないことをやり続けることで、継続性やグリットが身につくかもしれない。また、中学受験しない場合も、計算と漢字は無駄にならない。
学習教材については、子どもの認知リソースは驚くほどショボいので、学習課題の絵面がごちゃごちゃしてどこをやるのかよくわからなかったり、無駄にカラフルだったり、妙なキャラクターが描かれていたりすると、そこに認知リソースが割かれてしまい、肝心の勉強になかなか取り組めなくなる。白黒、もしくは二色刷りのシンプルな構成のドリルやプリントを、やる量を明確にして子どもにやってもらうと良い。
子どもの認知リソースの乏しさは、学習環境のセッティングでも重要な考慮点になる。やることが明確、導線はシンプル、さっと取り組める、気が散らない、を意識して学習環境をセッティングする。
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